小笠原父島図書室解雇事件と住民サービスへの影響


小笠原村父島図書室職員の解雇事件については,すでにお知らせしたとおりです。
(写真は,掴まって休憩する仔ガメ)

2013年05月05日小笠原村父島図書室解雇事件第1回調査期日開催

この事件は,父島図書室の運営が指定管理者制度に委ねられたことにより起きた事件です。
その背景は,小笠原図書館司書ユニオンのブログに掲載されています。

2013年04月25日図書館をめざして22年、図書館になる目前で、振出しに戻る

詳細を語る前提として,大きな論点を2つご紹介します。

論点1・父島図書室に図書館法(※)の適用を求める声がつぶされたこと
図書館のあり方については,図書館法を中心とする諸法令の適用があります。
その核は,図書館法第3条にあります。
父島図書室は,母島図書室同様,図書館法の適用がありません。
この事件は,図書館司書の解雇という事実のみならず,結局のところ,
利用者や村民の「父母両図書室に図書館法の適用を」という願いをつぶして
しまったことになってしまいました。

論点2・図書館司書は,図書館法に定めるプロであり,図書を愛する職員の
良心的働きとは法的にも異なるものである。
たしかに,小笠原村の図書室は,図書館法の適用がなく,図書館司書でなくとも
図書館サービスと同様の奉仕をしているという声(評価)もできるかもしれません。
特に,母島図書室は,すでに社協関係者の並々ならぬ運営努力がなされている
ものと思われます。

2012年12月19日エトピリカ文庫・小笠原(母島)開設セレモニー

しかし,図書館法に定める司書の業務とは,結果として提供するサービスの内容が異なっているものと言わざるを得ません。
その詳細については,次回に詳しく述べることとします。

図書館法の抜粋
(図書館奉仕)
第三条  図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一  郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
二  図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三  図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
四  他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
五  分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
六  読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励すること。
七  時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
八  社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
九  学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。

(司書及び司書補)
第四条  図書館に置かれる専門的職員を司書及び司書補と称する。
2  司書は、図書館の専門的事務に従事する。
3  司書補は、司書の職務を助ける。


この記事へのコメント


父島の住む人の考えが反映されていない気がしてならない。
個人の主張に便乗したような我侭なものだと感じます。

これは裁判で争うものでなく、明らかに議会に委ねるべきこと。
ばかばかしい
Posted by 透明人間 at 2013年07月06日 01:01
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